工場エンジニアリングのマイスターが生産現場の
お役立ち情報、サービスを提供します
Useful information
2025.07.16
省エネ・GX商材
2025年6月から施行される熱中症対策の義務化により、暑さ対策が法的要求事項となりました。特に60歳以上の高年齢労働者は、加齢による体温調節機能の低下により熱中症リスクが著しく高く、WBGT28℃以上または気温31℃以上の環境下で連続作業を行う事業場では、罰則付きの対策実施が求められています。
この法改正により、製造業の現場では単なる生産性維持を超えて、労働安全衛生法に基づく法的義務として高年齢労働者の身体機能の低下を補う暑さ対策設備の導入が急務となっています。違反した場合には罰則が科される可能性があるため、多くの企業が対応に追われているのが現状です。
しかし、高年齢労働者に特化した効果的な暑さ対策設備の導入には相応の初期投資が必要であり、特に中小企業にとっては大きな負担となっています。
そこで注目したいのが、厚生労働省が実施する「エイジフレンドリー補助金」です。この補助金を活用することで、暑さ対策設備の導入費用を大幅に削減し、効率的な職場環境改善を実現できます。
>>暑さ対策の関連記事はこちら
エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者(60歳以上)の労働災害防止を目的とした中小企業向けの補助金制度です。令和7年度(2025年度)の申請受付期間は2025年5月15日から10月31日まで実施されており、予算に達した場合は期間途中でも受付終了となる可能性があります。
・中小企業事業者(業種により資本金・従業員数の基準あり)
・1年以上事業を実施していること
・60歳以上の労働者を常時1名以上雇用していること
・労働災害防止対策を行う作業に高年齢労働者が従事していること
「職場環境改善コース」には、暑熱環境での高年齢労働者の熱中症リスクを軽減する「熱中症予防対策プラン」が用意されています。
・補助率:1/2(設備費用の半額を補助)
・上限額:100万円(消費税を除く)
・対象:60歳以上の高年齢労働者が従事する暑熱環境での作業
体表面冷却器
・電動ファン付き作業服(体温を下げる機能があるもの)
・移動式スポットクーラー(熱排気を屋外等へ逃がすことができるもの、標準使用期間5年以上)
・ミストファン等の冷却機器
身体冷却支援機器
アイススラリーを冷やすための専用冷凍ストッカー(-0℃程度、最大400Lまで)
効率的な身体冷却を行うために必要な機器
健康管理システム
・ウェアラブルデバイスによる健康管理
システム(深部体温推定機能付き、集中管理機能付き)
・WBGT指数計(JIS B 79準拠、事業者につき点まで)
エイジフレンドリー補助金の職場環境改善コースでは、60歳以上の高年齢労働者の転倒・墜落災害を防止するための設備改善に対して、費用の半額(上限100万円、消費税除く)を補助します。
補助対象となる転倒防止対策
作業場所の安全性向上
作業場所の床や通路のつまずき防止対策(段差解消工事) ・作業場所の床や通路の滑り防止対策(防滑性能の高い床材・グレーチング等の導入) ・凍結防止装置の導入(労働者が利用する通路の積雪・凍結対策)
階段の安全対策
階段への手すりの設置:既存階段に手すりを新設する工事 ・階段の踏み面への滑り防止対策:現時点で滑り止めが施工されていない階段への滑り止め施工
転倒時の安全確保
転倒時のけがのリスクを低減する設備・装備の導入 ・高所作業台の導入(自走式は除く、床面から2m未満のもの)
申請時の注意点
階段の滑り止め施工については、申請時に滑り止めの素材が確認できるカタログ等の写しを添付する必要があります。また、既に滑り止めが施工されている階段の老朽化・劣化による交換は補助対象外となります。
まず、事業者は交付申請書類を提出し、事務センターによる審査を受けます。この審査にはおおよそ2か月程度を要します。審査が通ると交付決定がなされ、ここから初めて補助対象となる事業の発注や実施に着手することができます。
交付決定を受けた後、事業者は補助対象の機器やサービスを発注し、運動指導などの取り組みを実際に実施・完了させます。その後、事業者は支払請求書類を提出し、事務センターによって補助金額の確定が行われます。最後に、確定した補助金が事業者に支払われて、一連の手続きが完了となります。
なお、交付決定を受ける前に取り組みを開始した場合は補助の対象外となるため、交付決定後に着手する必要があります。
「どの設備が補助対象になるのかわからない」
「申請手続きをどう進めればいいかわからない」
「自社の作業環境に最適な暑さ対策設備を知りたい」
といったお悩みがございましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。補助金を最大限活用し、貴社の安全で快適な職場環境づくりをともに支えていきます。
西日本工場工事・メンテナンスセンター.comでは、中国・四国・関西エリアの協力企業ネットワークを活用し、暑さ対策設備の提案から補助金申請サポート、設備導入後の効果測定まで一貫してサポートいたします。
同カテゴリーのお役立ち情報
大手・中小製造業の経営者様・現場監督者の皆様へ 近年、インフレ・資源価格高騰により、工場内ではインフラ周りのランニングコストが高く…
製造業の現場は、高温、多湿、粉塵、水分の多い場所など、過酷な環境下での作業が求められることが少なくありません。ベアリングやチェーン…
昨今、省エネ対策はコスト削減や企業のブランド価値向上の観点からも非常に重要です。昨年からの燃料や電気料金の価格高騰に伴い、省エネに…
アスファルトの遮熱対策のご提案! 夏場の厳しい暑さにより、工場や施設の駐車場や通路が高温になり、作業員や設備に深刻な悪影響を及ぼし…
製品や建築物が直面する深刻な問題とは? 日々の摩耗、衝撃、化学薬品による腐食、紫外線による劣化など、私たちの製品や建築物は多くの危…
昨今、製造業ではDXとともに省エネ・GXが1つのテーマとなっています。当社でも様々な省エネ関連商材をご提案することが増えています。…
昨今、製造業ではDXとともに省エネ・GXが1つのテーマとなっています。当社でも様々な省エネ関連商材をご提案することが増えてきており…